In U.S.A.   2007年5月24日~6月2日


  度胸試し (2007.6.9)
アメリカの中年暴走族 旅の恥はかき捨てと言うわけでもないが、旅先では自分でも驚くほど大胆になれる。もう二度とチャンスが無いかも知れないと言う思いだけでは説明がつかない。まあ、子供が喜んではしゃぎ回っているのと同じだろう。
 さてこの写真、日本では絶対に傍に寄らない方々である。レストランの前に大型バイクが数台、刺青をした厳ついおっさんとおばさん方、近くで見たい好奇心に駆られてしまった。しばらく様子を見ているとそれほど怖そうでもないし、こんな写真を撮ってきたら家族もびっくりするだろうと、意を決して写真を撮りに寄って行った。良く覚えていないのだが、「日本から来た者だが、あなた方はとてもカッコよく見えるので、記念に写真を撮っても良いですか?」とか何とか英語で言ったつもりだ。
 実を言えば首根っこを捕まれる可能性も考えて少々及び腰ではあったが、とにかくスマイル、出来る限りのおべんちゃらで快くかどうかは知らぬが、にこやかに被写体になってくれた。落ち着いて写真をみれば、ごく普通のアメリカの田舎に住む中年ライダーなのだろう。日本でこんな人に会ったなら、相当引いてしまう。

  食事情 (2007.6)
  アメリカのレストランで注文し、イメージ通り、希望通りの物が出て来た例がない。選ぶのが面倒で、一番の人気メニューにしてくださいと言っても、変なものが出てくる。こちらの知識不足と語学力欠如が一番の原因なのだろうが、こんな物良く食ってるよ、と思うことも少なくない。

 ドリンク類も然り。喉が渇きコーヒーショップに行った。アイスコーヒーを飲みたかったが、あちらでは無いことを知っていたから、それに一番近そうな名前の物を注文した。売り場のオネエサンが"It's a my favorite"と言った時から、いやな予感はしていた。多すぎる。甘すぎる。トイレで半分捨ててきた。

 何という名前か覚える気もなかったので書けないが、モロッコ料理はあっさりしていて、意外においしかった。飲み物のオーダーで何の躊躇もなくBeerと言ったところ、何やら言われて断られた。そうか、イスラム料理なのだから、それは無理だった。失敗。

 ホットドックを買ったときはおもしろかった。ケチャップは何だ、マスタードはどうすると言われるので、面倒なので”Yes”で通したら、全部付けてくれた。喜んで見せたらオネエサンもおもしろがって山のようにくれた。ぼくはアメリカ食の中でホットドックとサンドイッチは日本の物より好きだ。特にフランスパンのように固いサンドイッチは、食べたという満足感を与える。本当は検疫が面倒なのだろうが、空港でサンドイッチを買えば2日くらいは何とかなるので、安くてそれらしいアメリカ土産となる。。


アルバム

シカゴ、オヘア空港に着いたら、とにかく外の空気が吸いたくなる。手前右手には必ず日本人がたむろし、タバコを吸っている。
灰皿は無いけれど吸殻もほとんど無い。皆さんどうしているのでしょうね。
ターミナル間の移動はこの無人シャトル"People Mover"に乗る。
日本の「ゆりかもめ」と同じような物だが、加減速が激しい。掴まっていないとよろけてしまう。
高速で運転間隔も短く、とても便利なのだが故障すると面倒らしい。歩いて行ける隣のターミナルでも、歩道が無い。

シカゴでは地下鉄と高架鉄道(合わせて通称"L")が便利。
ダウンタウンの環状部分はシカゴ名物ループ。
地下鉄がそのまま2階の高さで走っているようなもので、凄まじい轟音を立て頭上を通過するのは、慣れないと少々怖い。
しかし、路面電車並みに便利だ。写真のように階段を上がればすぐに乗れる。また、街を歩いていても良い目印になり、迷うことが無い。
ただし、大きな荷物を持っているときはエレベータ付きの駅で降り、タクシーに乗るか歩くしかない。。

映画「ブルース・ブラザーズ」で兄弟が最後にたどり着いた納税事務所のあるビル。
ループの複雑な平面交差。
中央に左右に走るレールがあり、直角に交差している。路面電車では結構あったと思うが、高架線でこんなのは見た事がない。
シカゴには可動橋がやたらと多い。
2階建て車両の Metora。こちらは近郊を結ぶ電車らしい。2階建てと言っても、窓側の椅子が2階建てになっているだけで、中央の通路はワンフロアー。車掌さんはそこから手を伸ばして、2階の客の検札をする。何か変な感じ。
ミニスカートで2階席は無理?
PUPPET
写真を撮らせてもらったので、$1置いてきた。多いか少ないかは知らない。あちらの大道芸は本格的で、お金を置いて来る気になれる。
シカゴは建築の展示会場。
新旧の建物が同居。
Millennium Park 入口に置かれた巨大オブジェ、Cloud Gate。
高さ9m、長さ18m、重さ100tという。ステンレス製。
Cloud Gate で記念撮影。
中央の左が私。もっと近くで撮った写真もあったのだが、手前の子供のように短足になるので止めた。
置きっ放しにしないできちんと磨かれているのがすばらしい。
ガラスだらけの建物。何かのドライブシュミレートゲームに出てきたような気がする。
ガラスを突き破って通り抜けたような記憶。
ブルース・ブラザーズがパトカーと壮絶なカーチェイスをくりひろげた半地下。
川の堤防が高く、堤防面がメインストリートになってしまっているため、もともとの地上が半地下のようになってしまった。
時差ぼけで夕方6時に眠ってしまい、夜中の12時に目が覚め、お腹がすいたので買出しに行き、近くのドラッグストアで買った。アメリカのこの手のパンは好きだ。
シカゴと言うとアル・カポネが暗躍した怖い街を連想するが、アメリカの大都市の中では非常に治安は良いらしい。真夜中に一人で外出しても危険を感じない。
それでも、貧乏なアジア人らしく見えるように注意は払う。実際貧乏なアジア人だ。
アメリカで最初に買った食べ物がこれ。
食べ損なう可能性から、お腹に溜まる様な物と思って駅の売店で買った、パウンドケーキ状のもの。あまりに不味くて捨てた。
歯形が残っているが、これ以上食べる気になれなかった。
昼前にチェックインできた Magnificent Mile にある Red Roof Inn.。
日本ならほとんどのホテルが2時半くらいまで入れてくれず、不便。
シカゴのホテルは目の玉が飛び出すほど高い。日本なら1万円もしない古いこのようなツインルームが$180もする。
ダウンタウンにあるホテルは夜中でも買い物に行けて便利。決して悪いホテルではないのだが、帰路に泊ったホテルと$60しか違わないのに、差が歴然。
ミシガン湖畔にも近く、翌朝は Navy Pier(遊園地)付近を散策。
林立する高層ビル。
良くみると、日本にも同じようなデザインのビルがあることに気付く。
日本の建築家が相当影響を受けているようだ。
二日目になると、路線バスにも乗れるようになる。経路がわかれば便利に使える。
"L"と同じCTA(シカゴ市交通局)で運行しているバス。
外国で電車やバスの切符を買うのは面倒なので、何日間かのフリーパスを買う事が多い。二日用のビジターパスが$9なので、空港を往復するだけでも元が取れる。
実を言うと前日、バスを乗り違えた。私を含めほとんどがカラードの低所得者らしき人ばかりで、で、さすがに心細くなり電車の接続駅で降りた。反対方向行きに乗ってしまった事が判明。ガイドブックによれば旅行者は近づかない方が良いと書かれている地域で、何事も無く胸を撫で下ろす。
あちらに行った当初は、バスの乗り口が右側なのに慣れず、勘違いして反対方向のバスに乗ってしまい易いような気がする。。
何かの催しか、跳ね上げられた可動橋の下をセーリングヨットの船団が通り抜ける。
勝鬨橋もこうなるはずなのだが、見た事のある人はみな年長者。
Chicago Riverという川らしいが、運河のようなものだ。
空港とダウンタウンを結ぶ"L"Blue Lineの空港駅。
空港から乗った地下鉄では、ワシントンD.C.でもクリーブランドでもちょっと物騒な感じがしたが、ここは比較的安心。ただし、遅い。並行する道路の車にどんどん抜かれる。
それにしても派手な駅だ。
青は人間の視覚でもっとも認識し易い色らしい。日本の黄色い点字ブロックと違い、目だって健常者にとってもわかり易い。
3時間も遅延したのに、一言も謝らない(たぶん)ユナイテッドのオネエサン。荷物を座席の下に置いて良いかと尋ねると、
”Very good”だそうだ。英語のこういう言い方はまるでわからない。それ程良い事をしたつもりは無いのに。
飛行機は日本で悪名高きボンバルディアCRJ-200。アメリカのローカル線のほとんどがこれ。
着陸時は機首を下げるようにして突っ込んで行くので、早い。
ケンタッキー州レキシントン、ブルーグラス空港へのアプローチ。
見渡す限り牧場で、馬も見える。
昨年9月には、滑走路を間違えたCRJ-200が墜落炎上。数十人の犠牲者が出た。牧場に不時着できれば何とかなったかもしれないが、森に突っ込んでしまった。
ケンタッキー大学
緑が多く広々としていて気持ちが良い。
これを見ると日本のピザが貧相に見える。厚さが倍くらいあるような気がする。
これは美味しかった。回りの人が呆れるくらい食べた。午後はしばらく動けなかった。
ケンタッキーならではのバーボン入りビール。案外美味しい。
ホテルの窓を少し開けて眠ったら、凄まじい轟音で目が覚めた。その正体がこれ。低速回転大トルクのディーゼルエンジンのようで、SLのような音で走る。
重連かと思ったが、良く見ると機関車3両の3重連。エンジンの回転数がそれぞれ微妙に違い、そのために唸るのかも知れない。
とにかく通過するのに時間がかかる貨物列車。大型の貨車が100両以上。しかも遅いので、さっぱり途切れない。踏み切りで出くわしたら悲劇だ。
レキシントンのダウンタウン。古い由緒ある建物と言った感じで、郊外のニュータウンの雰囲気とは全く違う。
ショッピングセンターは無いが、万屋のようなドラッグストアが楽しい。。
大学の窓拭き。
とにかくやる事が豪快。
とっても良い感じ。ただ、ここへ行く道がない。
おみやげ。
軽いもの、圧縮できるもの、割れないもの。
それ以外は買わない。幸いなことに買う気も起きない。
ところが玩具屋、模型屋を見つけたらさあ大変。当然小型のバッグには入らない。(今回は無し)
赤い土
「風と共に去りぬ」で南部の土は赤いと書かれていたような記憶があるけれど、これのこと? そうだとしたら感激。
芝刈り
豪快と言うべきか荒っぽいと言うべきか・・・・。
近くに人が居ようが居まいがほとんどお構いなし。
施設の維持に効率優先で、コストを抑えるのも一つの方法だろう。
日本でこう言った発想は芽生えない。
4日滞在したホテル。
この程度の規模のホテルが一番落ち着き、居心地が良い。
フロントのオニイサンと顔なじみになった。
私の名前の意味を聞くので、
「親に対してフレンドリーな第三の男だ」と教えたら”Cool”だって。
意味わかったのかな?
ホテルの小さな室内プールだが、毎日泳いでいた。
日本以外では大きな風呂もないので、温水ジャグジーも魅力。
ただし、石鹸をつけて体を洗ってはいけない。
毎日泳ぐと、確かに疲労回復になり、活力も沸いて来る。ような気がする。
シングルルームでも良いのだが、こちらではこれが標準。
隣のベットに荷物を広げられるので便利
枕が硬軟二人分合わせ8個ある。2個で十分だ。

復路もシカゴに寄る。電車ではなく、乗合タクシーのような空港シャトルバンに乗りダウンタウンに向かう。
渋滞に引っかかってしまった。電車の方が速そうな気もするが、電車も非常に遅速で同じようなもの。渋滞が無ければ電車は車にどんどん抜かれる。
前方高いビルはSears Tower。
Sears Towerに登る。
110階建て443m、展望台は103階までもうすぐ。
確かに高いのだが、足下に床がありガラスに囲まれているとあまり実感が無い。
前方島のようになっているところは、Meigs Fieldで昔飛行場だった。マイクロソフト社のフライトシュミレータの飛行訓練では、ここを離陸しシカゴ市内を遊覧飛行する。
どうも見たような建物ばかりで、初めて来た街と言う気がしなかったのはこのゲームの記憶らしい。
シカゴ美術館。
今日は週一度の無料の日。
 ここの目玉スーラの「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」。その他教科書でおなじみの絵が無数に並ぶ。
欧米の美術館は撮影可のところが多い。(不可というところを知らない)
これは良い事だと思う。
 日本の美術館で監視している学芸員に欧米と違い何故撮影できないか聞いたら、著作権法の違いだと言う。所有者が版権を主張しているのか。こんなところで、日本の文化度はまだまだ低いと思う。
30分でとにかく全部の絵を見てきた。鑑賞して来たわけではない。
美術館前からループ方面を望む。
このアングル、何かの映画で確かに見たぞ。
シカゴ美術館の筋向いにシカゴ交響楽団の本拠地がある。
家にあるレコードのジャケットの写真と同じ事に気付いた。
幸運にもブラームスが聞けた。
弱奏が実に奇麗。VPOに勝るとも劣らず。
ホテルは中心部にあるThe Palmer House Hilton。
ちょっと立派過ぎるベットで落ち着かない。
この枕、一体何に使うのだろう。
一泊$250ながら、一生に何回も来るところではないので、このくらいは奮発しよう。
これ以上値段を落とすと、往路のようなホテルになってしまう。
これでもちょっと防音が悪い。隣の部屋のTVがうるさいので、壁を叩いたら静かになった。この方法がベストかどうかは知らない。
ホテルの部屋からビルの谷間越しにミシガン湖が見える。
シカゴ、オヘア空港ターミナル1のB、Cコンコース間の通路上に有名なネオンサインがある。見とれてしまうほど綺麗で動く歩道上を急いで行く気にならない。
 ANA機に搭乗。これに乗ってしまえば日本に帰ったようなものだから一気に気が緩む。
初めてビジネスクラスに乗った。客室乗務員が名乗って挨拶に来た。
ウエルカムドリンクにシャンパンが出てくる。

まともにアメリカ往復をビジネスクラスで買うと、50万円はする。回りを見回すと若い人が多く、特典航空券かアップグレードなのでしょう。私もそう。
 それが無ければエコノミーの15万円で妥協する。往復二十数時間我慢すれば差額の35万円助かるのだから。JRの個室寝台が2万円弱なんて、破格の安さだ。
テーブルクロスが敷かれ、紙やプラスチックではなく、陶器の皿で食事が出てくる。しかも美味しい。エコノミーが大衆食堂以下で、難民船に思えて来る
一週間あちらの食事を食べていたら、お腹を壊し、残念ながら完食できなかった。乗務員に「お口に合いませんか?」と言われ、危うく本当の事を言いそうになったが、入国審査で伝染病を疑われると面倒なので、黙っていた。
シートはほとんど平らになり、熟睡できる。
隣の人の顔も見えないので安心。
映画は見たいようなものも無く、ほとんどPCを相手にしていた。無論コンセントもあり。
往路では「犬神家の一族」を見た。映画館や自宅では絶対に見たくない映画。周りに人が沢山いるし、液晶モニターの画面が小さいのであまり怖さも感じず、面白かった。
以前アメリカの帰りに「イージーライダー」を観たとき、日本で見た時と全く違う印象を受け、不自由な国アメリカを感じた。
ヘッドフォンを外したら、急に騒々しくなった。
良く見るとノイズキャンセラー付きのヘッドフォンだった。エコノミーには付いていたかどうか記憶に無い。
日の丸が付いていると、なにやら安心。
ビジネスクラスの最大の欠点は、ちょうど翼の上になってしまい、下方視界がほとんど閉ざされている事だ。

着陸してもビジネスの特典が持続し、専用ラウンジで無料でシャワーが浴びられる。
日本は湿度が高いのか、機外に出たら一気に汗が噴出し、シャワーを浴びられて助かった。
成田で仙台行き乗り継ぎのためバスに乗る。バスの右側に行ってしまい、呼び止められた。たった一週間アメリカに居ただけなのに、すっかり習慣になっているようで苦笑い。
バスから撮ったBOEING777-200、なかなかこの角度で写せないから貴重なショット。迫力がある。
機材はフォっカーF50
高翼のため下方視界は抜群。
ようやく仙台に着いた。
プロペラ機に乗るなんて何年ぶりだろう。古い機体だからそのうちリタイヤか。
オヘア空港で買ったサンドイッチ。検疫を受けていないから密輸?
その日のうちに食べて証拠隠滅。食べてしまえば入国前に食べたのと同じで問題なし。
どうして日本ではこの手のサンドイッチが売ってないのだろう。これはボリュームがあり、その上美味しい。
これもおみやげの一部にした。洋モク、チョコレート、香水なんかより余程アメリカらしいし、何と言っても安い。